Progress of graf

あなたと同じ日、同じ季節。私たちはあなたと同じように暮らしながら、
新鮮な発見や驚きを素にgrafをつくっています。

2012.09.20

スフェラーランタン、再発売のお知らせ


もうすぐ秋分の日ですね。

今年は9月23日ではなく、一日早まって9月22日ですよ。ご存知ですか?
秋分の日が9月22日になるのは、116年ぶりのことなんだそうです。天体の動きを反映して変化する祝日は、自然との調和を図る日本人の美意識をよく表しているように思います。

grafがデザインを担当させていただき、去年の11月に京セミ株式会社から発売されたスフェラーランタンも、そんな自然に対する感性を意識して設計したプロダクトでした。

球状太陽電池スフェラー®を使った照明機器のデザインを依頼いただいたことから始まったプロダクト開発。ポイントとなったのは、日中の太陽の様子によって充電量が変わってしまう太陽電池の特性でした。ネガティブに捉えられがちなこの特性を、「太陽電池は、日中の光を記録している」と捉え直すことで、自然の恵みを意識し、日々の変化を楽しむ道具としてのプロダクトが生まれました。あなたが帰宅して明かりを灯すとき、スフェラーランタンは昼間の太陽を覚えています。

そんなスフェラーランタンに関して、お知らせがございます。

去年の11月に発売を開始した初回限定版は、おかげさまで完売いたしておりましたが、この度、第2ロットが発売されることになりました。京セミ株式会社からスフェラー部門を分割して設立されたスフェラーパワー株式会社より、10月上旬の出荷が予定されております。

初回100台限定にて封入されていたシリアルナンバーはございませんが、技術面での向上を図り、細部の美しさが増しております。

grafのshopにて予約をたまわっておりますので、店頭でお声がけいただくか、電話、メールにてご予約いただければ、10月上旬の入荷後すぐにご連絡させていただきます。

秋の夜長、涼やかな風と心地よい虫の音とともに、ランタンの優しい光をお楽しみください。


井上真彦(設計)

sphelar lantern

2012.06.17

意思表示のためのデザイン

 

休日出勤。

事務所で仕事していたら、外からなにやら大きな声が聞こえてくる。

なんの声かはすぐわかる。

 

grafのビルは関西電力本社ビルのすぐ近くに立地していて、3.11以降、関電に対するさまざまな抗議活動を身近に感じながら、日々仕事をしている。

「目の前の仕事を最大限良くすること」「目の前の人を最大限幸せにすること」が「日本を良くすること」に繋がるのだと半ば自己暗示をかけるように、これまで盲目的に日々の仕事を一生懸命こなしてきた。

抗議活動の最前線に位置する職場で、大きな問題に目を背けつづけながら・・

 

でも、今、大飯原発が再稼働しようとしている。

 

たとえ結果がどうなったとしても、少しでも意思表示しないと後悔すると思った。

・・じっとしていられなくて事務所を飛び出した。

 

・・ただ、目の前にあらわれた光景は、少し拍子抜けするものだった。

数十人のヘルメットやマスクをした抗議者(ご老人が多そうな印象)を、その倍ぐらいの重装備した警官が取り囲みながら移動している。

彼らの立派な意思表示行動は尊敬に値するけど、僕はこの中に入っていって一緒に声を荒げる気にはなれなかった。

 

みんながもっと意思表示しやすい仕組みをデザインできないものかと思った。

そんなことを悶々と思いながら、職場へ戻った。

意思表示すること 

グラフィック / 置田

 

2012.04.04

シゼンのカケラ

暖かかったり肌寒かったり(嵐だったり!)の日々が交互に続いています。
今日この頃。
そんな移り気な気候に自分の性格を重ね合わせてみたり、花粉と奮闘したりしながら、僕はこの初春の時期を過ごしております。
みなさんはいかがお過ごしですか?

この時期は目に入る景色がめまぐるしく変化しますね。
桜も咲き出しました。

さて、今日は、そんな今の時期から読み出すのにピッタリな1冊の本を紹介します。
去年の秋の終わり頃にエルマガジン社さんから出版された、華道家・片桐功敦さんの「シゼンのカケラ」という本です。
出版にあたり、僕は本全体のアートディレクションを担当させてもらいました。
内容は、片桐さんが日々の暮らしの中で見つけたシゼンのカケラ(=小さな花たち)と交わした会話を綴ったものです。
さながら「植物一問一答」「植物万葉集」といった趣の全63話の珠玉のショートエッセイ集。
10年経っても20年経っても飽きないような普遍的なデザインを目指しました。
爆発的な大ヒットはないかもしれないけれど、ずっと買った人のお気に入りの本棚に並んでいたり、鞄の中に入れて持ち歩いたりしてくれたらいいな。
ちなみに僕は、枕元に「魯山人味道」と一緒にずっと置いています(笑)
眠りに落ちるまでのわずかな時間に読むのにちょうどいい。

エッセイは春の章からはじまり冬の章で終わるので、今から読み出すのにオススメです。
春は命が芽吹く季節。
いろいろな意味ではじまりの季節です。
さあ、あなたも、鞄の中にこの本をしのばせて、片桐さんのように、道すがら見つける小さな「シゼンのカケラ」と会話を交わしてみたらどうでしょう?
きっとその1日に小さな花が咲くでしょう。

"朝まだき早春の野原で摘んだタンポポはまだ眠りの中。これからの旅に向けて、ぐっすりと休んでいる最中。起こさないように、手の中に包んで歩く。
一歩先に咲いていたモクレンの花弁のベッドに静かに置いて、もう一枚、花弁の毛布を重ねる。
ゆっくりと目覚めよう。起きたら新しい旅が始まるのさ。"
(シゼンのカケラより抜粋)

にくいな~、片桐さん。
 

シゼンのカケラ
桜
枕元

グラフィック / 置田

2012.03.25

文章を眺めて見つめた先



先日、職業講話をさせていただいた中学校の先生が、生徒さんたちの感想文をコピーして送ってくださいました。わざわざありがとうございます、拝読しました。いろいろな言葉で丁寧に感想を綴ってありました。励まされているようでうれしくて、声が聞こえてきそうになるくらい何度も読み返しました。すてきです。手書きのメッセージは何度読み返しても飽きることがないですね。文字を書くという行為に費やされた時間や思いは、それらが綴られた紙一枚に永遠のような奥行きをあたえてくれます。この日の講話では夢についてうまくお話をすることができませんでしたが、いただいた感想文のその奥行きの向こうに夢の存在を見たように感じました。

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2012.02.19

本と本棚

今月より3Fのショップで「the nature library」という企画がスタートしました。植物、動物、海、宇宙、地球という5つのテーマを繋ぎながら創造の拠り所である“自然”というものを本をツールに旅をする、という企画です。 本が好きでもそうでなくても是非ともおすすめしたい企画です。

ボク自身が読書のおもしろさを知ったのはようやくにして高校に入学したころからですが、たぶん理由は簡単で、よい読書体験というものを幼少の時にすることができなかったということと、おもしろい本屋さんが近辺に無かったから。なので本の探し方もわからず、本の魅力に気が付くのに時間がかかったんだと思います。出会ったタイミングは忘れてしまったけど、ボクが最初に読了感を満足に味わったのはジャック・ケルアックの「路上」でした。その本を同級生の友だちの部屋で発見してとても嬉しい気持ちを味わい、その友だちのことがすごい好きだったからそいつの持っている他の本にも興味を持ちいろいろと本を読むようになりました。

きっと皆さんも味わったことのあるこういうワクワク感をこの「the nature library」で味わうことができます。ボクは特に多読ではなくて読んだ本の内容なんてぜんぜん忘れちゃうし、ひょっとしたら勘違いして理解しているものもあるかもしれないし、読者としてはあんまり褒められたものではないです。もちろん買って読まないこともあるし途中で諦めたものもあるし。こういう自分の現実を正当化するつもりは無いのですが、本って知識を身につけるものではなくて、やっぱり行為や体験ではないかなぁと思います。それらが知識というところに働きかけることがあるとしたら、きっとこの、ページを読み進めるという行為の中で自分で内容を理解したり考えなくちゃならないところだったり、わからないなりに読み進めなければならなかったりと本の内容よりも、そういった考える行為や想像を強いられる状況のことではないかと思います。なんだかいきなり読書論みたいになってしまった。いやだな。えー、言いたかったのはですね、友人の本棚での体験のように、皆さんにもこのライブラリーから、そこにある本と本との関係から見えてくる「間」や「響き」みたいなもの、自分が興味を引かれたこの本とあの本とが指し示す「可能性」のようなものを味わったり見つけてもらえたらうれしいなぁと、そういうことを思っています。

ということで、この本棚でボクが出会った一冊は梨木香歩さんの「春になったら莓を摘みに」。あ、こういう趣の本も含めて、最初に言った5つのテーマになぞらえ選書されているワケです。で、この本、オビにやられたことと表紙の写真が星野道夫さんだったことで即買い。でもこの作家さんのことは、実はこれまでノーマークでした。。。先ほど読み終えましたが早く出会っておけばよかったなー、という気分でいっぱいです。でもだからこそ出会えてよかったです。最後の章で、どかーん!ざぶーん!と押し寄せる波のような展開がとても心地よかったので今はその満足感に浸っています。3Fで梨木さんの本を見つけたらそれ、ボクが狙っているモノだと思います。もちろん購入いただいて構いません(笑)きっと良い本だと思うのでおすすめしますよ。

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