Progress of graf

あなたと同じ日、同じ季節。私たちはあなたと同じように暮らしながら、
新鮮な発見や驚きを素にgrafをつくっています。

2013.12.07

木のスプーンづくり at ふくやま美術館



11月23日(土)にふくやま美術館にて開催されていた特別展「観じる民藝 尾久彰三コレクション」の関連イベントとして、スプーンづくりのワークショップを開催させていただきました。各地で開催されているワークショップは「つくってわかる?ツールのルーツ!」と題して、スプーンやナイフ、器などを参加者の皆さんに製作していただいてます。つくるたのしさを伝える機会としてはもちろんですが、もう一つの目的としては、普段使っている道具が「なぜそういう形をしているのか」を考えながらつくってみるところにあったりします。 持った時の手への馴染み具合や、道具を握りしめたときに手のどこに力が入っているか、スプーンならばすくう部分の深さやその角度、スプーンを口に含んだときの丸みなどと、あまり気にしなかったであろうことを改めて観察してみることで、道具そのものにも興味や関心が生まれてくるし、つくるものの形にもしっかりとした理由や目的などができると考えているからです。とはいえ、やっぱりたのしんでつくってもらうことが一番なので、別に内容的にはアカデミックに偏っているわけではないのですが。



写真右側のような角材を切って、削って、やすって、塗装までおこないます。左側は参加者の方がつくったスプーンです。とてもすてきな佇まい。つくられたモノは、つくった方の雰囲気をまとっているように見えるから不思議です。塗装までの所要時間は、毎回なんだかんだで4時間くらいかかってしまいます。長時間なのにも関わらず、皆さんの集中力には毎回感心してしまいます。



今回参加された方の中に、ご自身が気に入って使っているというスプーンを持参された方がいらっしゃいました。丁寧に鉛筆で下書きをして切り出し、ノミ、小刀、やすりをつかって慎重につくっていました。楽器を練習するときも楽譜を見て、曲にあわせて演奏して技術を高めたり技法を知ったりしていくし、スプーンをコピーするというのはおもしろい方法だと思いました。





形の話だけでなく、木を削ってみると、堅いところやそうでないところ、木目の流れる向きで刃の入り方が違ったりと、意外といろんな発見が多いかと思います。素材に実際に触れてつくってみることで得た気付きから、身の回りのものの見方にもうひとつの視点が加わったのだとしたら、ワークショップをした僕たちの意義としてとてもうれしいです。

今回もまたたくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました。わきあいあいとした雰囲気でとてもたのしかったです。ふくやま美術館の平泉さん、羽原さん、関係者の皆さま、たいへんお世話になりました。またぜひ福山に遊びに(仕事です)行きたいです。講師を勤めた手塚くん、稲毛くんもおつかれさまでした。

小坂逸雄(PR)