Shop

人と人とのつながりを大切に考え、モノとその先にある作り手と使い手の想いが出会うきっかけを提供しています。

2012.11.28

ブローチ「one to one」~戸田祐希利さんインタビュー~

現在ショップでは先日リリースされたプロダクト「cut piece」の共同デザイナーである戸田祐希利さん(暮らすひと暮らすところ)が作るブローチ「one to one」をフィーチャリングし展示しています。形がひとつひとつ違う石のそれぞれの輪郭をトレースしたこのブローチは自然が作りだした「世界でひとつだけ」の形。それは戸田さんの「伝えたい」という想いが形になったものでもありました。



モノを作ることへの関心から、家具好きが昂じて家具職人を目指しました。しかし、思っていたよりもその世界は、使ってもらう人との間に距離感がありました。僕はただモノを作りたいだけではなくて「使ってもらうモノ」を作りたかったのですが、職人をしながらでは実感を得られませんでした。その後、「使ってもらうモノ」を求め何千何万台と商品を生産するメーカーへ就職し、プロダクトデザイナーとして大量生産の世界に入りました。でも、たくさんの商品を開発するうちに、満足して使ってもらえているのかが伝わってこないことに不満を感じました。「こういう人に使って欲しい」と思って作ったものが、どんな人にどのように使われ、ちゃんと満足されているのか。「使ってもらう人」の反応が、数字だけではなかなか伝わってこなかったのです。今は「暮らすひと暮らすところ」として、作る人と使う人との間で活動をしています。ただプロダクトを発表して販売店で取り扱ってもらうだけではなく、販売する人や場所を訪れたいと思っています。その活動の中で、買ってくれた人や買わなかった人の言葉を直接聞くことができたり、その評価を感じたりできると思うからです。そこで感じた「使ってもらう人」からのメッセージを作り手へしっかりと伝えていくことで、職人と「使ってもらう人」との距離を縮めて行きたいです。「人や場所」を訪れることは、僕にとって大切な事のひとつです

オリジナルプロダクトの製作も、僕自身が作るというわけではありません。そのかわり、活動を通じて知った様々な職人の技術をどう伝えようかということを日々考えています。「one to one」を作るきっかけになったのは真鍮着色の技術に出会ってからでした。そもそも、この技術は伝統的なお寺の道具を作る工程の一つです。伝統工芸には、はじめから終わりまで、一人の職人により作られるものだけでなく、工程ごとに専門の職人の手から手へ渡りながら仕上げられるものもあります。その中には、素晴らしい技術が、世間にあまりに知られないまま、受け継がれているものもたくさんあることを知りました。きっと、まだ世の中には世間に知られていない素晴らしい技術があるのかもしれない。美しくて興味深い真鍮着色の技術、これをもっといろんな人に知ってもらうことで、喜びや感動を、みんなの財産として共有できたら楽しいなと。それがこのブローチです真鍮着色の価値にこだわっていたので「色」をそのまま届けたかったのです。石の形をモチーフにしたのは、石が好きだということもあるのですが、ひとつには形そのものに自分の意図や思惑などを入れたくなかったからです。またこの真鍮着色は「同じ模様は二度と出ない」ということを伺っていました。それだったら、ひとつしか無いものにしようと。ひとつひとつ違う石の形と、ひとつひとつ違う着色の模様がうまくひとつの形になりました



たくさんの人に「伝える」ということをしていきたいです。僕にとっては、自分の意図を伝えること同様に、お客さんからの声を職人さんへどう伝えるのか、職人さんが作ったものをどうお客さんに伝えるかが重要です。商品づくりには、伝えることが大切だと思っています。それぞれの感じていることや考えている事を知り、それを伝える。これからもいろんなことを試しながら、商品を通して伝えていきたいと思っています


作り手と使い手の想いを丁寧に汲み取りながら「使ってもらうモノ」を形にしていく戸田さん。そんな姿勢から導かれたブローチ「one to one」はメッセージだけが輪郭となった、手にした人の心にぴたりと嵌るパズルの一欠片のようです。「世界にひとつだけ」の形。ひとつひとつ表情の違うブローチと自分の心とを重ね合わせながら、静かに聞こえてくるメッセージに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。


戸田祐希利(とだゆきとし)プロフィール
1977年 愛知県生まれ
2000年 フィンランド留学 ラハティーインスティテュート オ ブデザイン
2002年 高岡短期大学卒業(現 富山大学芸術文化学部)
2003年 木工家具メーカー入社 設計・製造・工程管理
2005年 小泉産業株式会社入社 商品開発・設計部門
2011年 暮らすひと暮らすところ設立

____________________

戸田祐希利「one to one」
展示期間 / 開催中 ~ 12月27日(木)
お問い合わせ / graf studio 1F Shop
tel. 06-6459–2100 mail. shop@graf-d3.com

2012.11.11

新商品 cut piece(カットピース)

野菜や果物、自然の造形物を真鍮に置きかえた、日々の料理や食卓に上品なユーモアを運んでくれる新商品「cut piece」。grafとプロダクトデザイナーの戸田祐希利さん(暮らすひと暮らすところ)とともにコンセプトから商品化までを進めました。りんごはペーパーウェイトやブックキーパーなどに、タマネギは大きさに合わせて使い分けられる鍋敷きに、へたは一口サイズを口に運ぶピックなどに。愛嬌のあるモチーフは他にも意外性のある使い方も想像させてくれます。品のある真鍮の質感とモノの存在感が相まって、かわいらしいネーミングと共にいつも傍にいて欲しくなるアイテムです。白いパッケージはギフトとしてもおすすめです。地球の造形物からデザインを拝借した、香りも味も栄養もなくなった野菜や果物。調理方法も召し上がり方もご自由にお楽しみください。

cut piece
りんごの文鎮、鍋敷きなタマネギ、上手なへた
価格(税込) / ¥9,975(¥9,500+税)
素材 / 真鍮・素地(りんごの文鎮、鍋敷きなタマネギ)、真鍮・メッキ仕上げ(上手なへた)

Shop&Kitchen

OPEN / 11:00 - 19:00
定休日/ 月曜日(祝日の場合は翌日休)
大阪市北区中之島4-1-9 graf studio 1F
お問い合せ
tel. 06-6459-2100
shop@graf-d3.com