ものづくりを、エネルギーづくりから
ものをつくることを背景に 25 年間活動してきた私たちは、家具づくりからはじまる循環の仕組みをつくりました。自分たちの活動を通してエネルギーを使用することや廃棄物が発生することなどへの課題意識から、ものづくりがごみづくりなってしまわないようにと考え実践した仕組みです。家具づくりの過程で生まれる端材を「バイオ炭」などの新しいかたちに変え、地域や自分たちの活動といった小さい輪のなかで資源を循環させることを目指しています。
地域の未利用資源からエネルギーをつくるクラフトエナジー®︎
クラフトエナジー®︎とは、使われずに廃棄されてきた資源を「バイオ炭※」などの新しいかたちで社会に循環させる取り組みです。家具の端材に限らず、街路樹の剪定枝や、農業残渣、木材加工時に発生する木端、衣類など。これらの廃棄物は焼却処分やリサイクルされますが、その過程では温室効果ガスが排出され、環境への負荷も少なくありません。クラフトエナジーでは、これらの廃棄物を「未利用資源」として捉えなおし、環境への負荷を少なくしながら、地産地消のエネルギーに変えることができます。ブルワリーがその土地性を活かしてつくるクラフトビールのように、土地に根ざしたエネルギーとして広めていきたいと考えています。
バイオ炭とは
木炭や竹炭といった生物資源を材料とした「燃焼しない状況でつくられる炭化物」です。
通常の炭としてBBQなどに利用できるだけではなく、土壌の透水性を向上させる効果などが認められていることから、「土壌改良材」としての利用が期待されています。生物資源に含まれる炭素は、そのままにしておくと微生物の活動等により分解され、二酸化炭素として大気中に放出されてしまいます。しかし、炭化してバイオ炭として土壌に施用することで、その炭素を土壌に閉じ込め(炭素貯留)、大気中への放出を減らすことができます。
クラフトエナジーの特徴
地域の未利用資源を用いて、
製炭・発電を実施
発生したガスは
二次燃焼装置で無害化
災害時の瓦礫処理や
電源確保にも活用可能
仕組み
つかうもの
バイオマス由来の有機物を未利用資源として利用することができます。
農業残渣
- 摘葉、摘果、剪定枝、
栽培終了後の株等 - 製品加工時の残渣
- 規格外の農作物
林業廃棄物
- 枝打ち時の枝葉
- 製材、加工時の木端
- 間伐材
その他の廃棄物
- 衣類
- ペットボトル
- 木製パレット
- 食料残渣
できるもの
製炭ユニット1台を使用して1.5tの未利用資源を炭化した場合、約150kgのバイオ炭をつくり出すことができます。
また製炭時に発生する排熱は、発電や作物の温室栽培、給湯などに変換/再利用することが可能です。
grafのクラフトエナジー事業
このクラフトエナジー事業では、わたしたちが中心になって行う自社の製炭・発電事業に加え、この仕組みを他の地域や事業者の皆さまに広めていく導入支援事業を行っています。もともとは自社のものづくりを通して見えてきた課題を解決するために始めた取り組みですが、皆さまの身近にあるお困りごとの解決にもつながると考えています。
grafの製炭事業
事業の第一歩として、以前より地域の活性化に向けたブランディングを行っている奈良県天理市と連携し、製炭事業を展開しています。事業拠点は天理市内の廃校。この廃校では現在、株式会社良品計画などが参画している地域活性につながるプロジェクトが進んでおり、地域内で資源を循環させる仕組みを学べる場所として活用すべく、当社も敷地内に未利用資源から製炭をするための炭化炉を設置しました。材料となる資源には地域周辺の森林間伐材等を中心に、街路樹や果樹園の剪定枝、ゴルフ場の芝などを用います。地域でこれまで廃棄されたり放置されていた資源を新しいかたちで活用することで、「地域」という小さな単位で資源を循環させる新たなサイクルをつくります。
パートナー:有限会社紋珠 高槻バイオチャーエネルギー研究所
地元にある荒廃林や放置竹林からの伐採材や農業残渣など、地元で使われず困っている資源を炭化し、電気にすることで、地域の資源循環を実現するシステムの開発、普及サポートを行っています。同社が開発した、地域の未利用資源や自然災害時の災害残渣からバイオ炭を生み出す「炭化力システム」は2012年に特許取得しています。
クラフトエナジー導入支援事業
地域や事業者の皆さまのお困りごとに合わせた最適な仕組みのご提案から、製炭ユニット周辺の環境設計、炭の製品化支援、販促・流通支援まで、一貫してサポートいたします。
ご相談からサポートまでの流れ
R2 事業再構築