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WhO CREATORS INTERVIEW – コロナ禍で感じる「絵画こそ旅」

アーティスト・佐々木愛 美術作家
インタビュアー 服部滋樹 WhOプロデューサー

grafでクリエイティブディレクションを担当している壁紙ブランド「WhO」より、美術作家・佐々木愛さんの新柄がリリースされました。
コロナ渦での外出自粛やステイホームの影響により、室内で過ごす時間が増えた今、クリエイターが考える理想の空間とは。「旅」をテーマに作られた壁紙、家にいても旅の空気を感じ、想像力を養える空間について伺いました。

家に居ても、旅を感じる空間

服部滋樹(以下、服部):今回、佐々木さんにはこれまで作ってもらっていたラインナップを参考に、制作してもらったけどどうでしたか?

佐々木愛(以下、佐々木):元々前に作った山をモチーフにした柄があって、その柄を空間に合わせて調整したいという依頼がWhOさんから来ました。その時はお任せしたんですが、もし次の機会があれば新しい図案を描きたいですって話していたんです。それなら新しい柄作りましょうって言ってくれたのがちょうど自粛期間中でした。家にいる時間も長くて、そういうのをテーマで作れたらいいなというやりとりから今回の柄を考えました。

服部:それで山と海と森の柄に。

佐々木:最初は山を描こうと思っていたけど、好きなものを描いてくださいと言われたので、元々私が持っている「旅」をテーマにして、家にいても旅を感じることができたらいいなと思い、森、海・ヨット、山・馬を描きました。

服部:今回の森とかは子供部屋とかによく採用されるんじゃないかなと思っていて

佐々木:去年ぐらいに幼稚園の壁画をやってほしいって依頼があったんです。でも制作期間が厳しかったので壁紙も作っていることを伝えたら、それが採用されました。壁紙の方がリーズナブルで施工期間も短くて、保育園も壁紙だと張り替えられるので、そっちの方がいいなと思って。そのことがきっかけで、これまで同系色が多かったんですけど、次作るならカラフルなものがあってもいいなと思って制作しました。

服部:いいですね。この森の柄も選ばれることが増えて、別のカラフルな色味も見て見たい人が増えそうですね。

佐々木:少し話は変わりますけど、前に滋賀県多賀町の緞帳を作ったんです。建築家の方から、私が白いレリーフの作品を制作しているので白のデザインのイメージを依頼されました。でも緞帳は華やかな方がいいと思っていて。最近はモノトーンで現代的な色合いの緞帳も多いそうで、でもそうじゃなくて原色でビビットなものにしたいと提案したら、建築家の人も賛成してくださって、実現しました。大きな華やかな緞帳を見て、空間にたくさん色があるのもいいなと思ったので、今回の壁紙もカラフルで楽しく、色彩がきれいなものにしたいなと思いました。

服部:すごいビビットですね。この時のモチーフは町の風景?

佐々木:これは全部多賀町にいる動植物で、町の人に思い入れのある動植物をヒアリングして教えてもらいました。他にも三本杉の昔話があったりして、それをテーマにしていたりもします。席に座って緞帳の模様を見て、「あの鳥は〜ですね」なんて隣の人と喋れるきっかけになる、そんな物語性があればいいなと思って描きました。
https://www.sasakiai.com/work/1456/

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https://whohw.jp/talk_aisasaki-shigekihattori/