小豆島の産業として歴史ある石の文化。その石が持っている色。そこに住む人の個性をつくってきた色。地形だけでなく土地の色もまた人つくる重要な要素だ。その土地にある資源でその土地に存在する色を探る作業 – 例えば草木染めのような – は、独特の深みを持つローカルカラーをつくり出す。 制作 / 井上 真彦(設計)
島で拾った色 色について探し回って見つけた浜辺のカラフルな石ころたち。五つの海岸で無造作に拾い上げた石ころをヤスリで削って色別に並べ、天然顔料のパレットをつくった。蓄積・隆起・侵食の繰り返しと重なりがつくり出した島の色。
島に溶け込む色 石の色に基づいたオリジナル水性顔料。長い時間の蓄積が塊となった石の色は、島の景観や人々の記憶を壊すことなく、いつもの風景を静かに更新していくことだろう。