樹齢百年のヒノキでつくるプロダクトブランド「廣吉(ひろきち)」。古くから林業が盛んな和歌山県で、100 年以上にわたり森林の植林・管理事業を中心に事業を展開してきた東濱植林株式会社が、これまで守り継いできた木々を新しく人々の暮らしに活かす取り組みとしてスタートさせました。
grafでは新規事業の開発や補助金採択の支援から、コンセプト開発、プロダクトデザイン、ロゴ、ブランドステートメント、ウェブサイトの制作、販促支援まで、本事業のブランディングデザインを行いました。
大正11年の創業以来、植林事業が人々の暮らしを豊かにすると信じて山林を育んできた東濱植林株式会社は、創業者・九代濱口吉右衞門が「植林事業は、国家百年の計にあり」と謳い、そこから100年にわたり山々を守り継いできました。育ててきた山林は当時は日本の経済成長を支える木材生産の場として、そして今では環境保全の場として、時代に合わせてかたちを変えながら常に人々の暮らしとともにあります。一本の木を育てるのには少なくとも50年という途方もなく長い月日を要し、年ごとに一本ずつ重ねられる年輪には、一日一日、自然と対峙し山を大切に守ってきた杣人たちの想いも重ねられています。
今回grafは、樹齢百年となった大きな森から切り出された大切は木々の価値をきちんとお伝えできるプロダクトづくりに向けてさまざまお手伝いをさせていただきました。これからこのプロジェクトをきっかけに育林やものづくりの現場が都市での暮らしに少しでも身近なものになることを願っています。
プロダクトブランド「廣吉」
「廣吉(ひろきち)」は大切な節目に寄り添う縁起物をテーマに、樹齢百年のヒノキをつかい末広がりの「八」を想起させるかたちにしたプロダクトブランドです。使い手の他者をもてなす心づかいを引き立てるプロダクトを目指してデザインし、和歌山の職人の手で作られています。東濱植林株式会社の創業の地「廣村」と、創業から代々引き継がれてきた「吉右衛門」の名から一文字ずつとり、「廣吉」と名付けられました。
ブランドと会社を紹介するwebサイトや、リーフレットの制作も行いました。
Team
クリエイティブディレクション|服部滋樹(graf)
ディレクション|村川晃一郎(graf)
プランニング|米山菜乃花(graf)
デザイン|吉田瑞紀(graf)、大西風(graf)
コピーライティング|久岡崇裕(parks)
Web制作|多々良直治(Cahier)